プロローグ

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 あの頃。  まだ私は4歳とかだったかな。私のそばには君がいた。毎日会って、毎日遊んで、毎日楽しかった。恥ずかしがりやの私を陽の当たる場所に連れ出してくれたのは君だった。君の手を取って、君の背中を追いかけて、君のそばにいた。  保育園で一緒に遊んで、親が迎えに来たあとも、帰りに公園で一緒に遊んで、毎日毎日同じ遊びを、飽きもせずに繰り返していた。日が沈んで、家に帰る時間が来て、別れ際には泣きじゃくって、母を困らせたりした。その度に君は「また明日遊ぼうね」って、約束してくれた。それが嬉しくって、私は泣くのを止めていて。「結婚しよう」なんて、果たせるはずのないプロポーズもした。君は笑って応えてくれた。  決して色褪せることはないけど、決して戻ることのない日々。愛おしくって切ない日々。
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