華麗な宴

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華麗な宴

満月の夜の日のこと。先生が「今日は、マカロン姫の生誕祭をやろう。」と提案した。お祝いもかねてみんなで招待する予定だ。メイドであるリリアーナももちろん参加している。椿は、あまり昔から手先が器用な方ではなかったので、何もかも完璧なリリアーナに教えてもらっている。今夜はとても楽しみだ。なんて思い、準備を始める。 まず、部屋の片付けだ。先生の家は2LDKで各部屋共に長い廊下が繋がっている。廊下は物が散乱してなく綺麗だ。右側に洋室、左側に和室、中央に長い廊下が続いている。宴になる場所は洋室を使うらしい。和室には、先生が言うにお客様専用の来客が来た時の部屋だ。洋室に椿が入るとリリアーナがせっせと床掃除をしていた。 「何か手伝う事ない?」とリリアーナに尋ねると「私は、職業柄メイドなので、相手にお願いしたり、頼む行為は絶対にお断りしています。どうぞごゆっくりしてください。」リリアーナが言うと、椿は悩んだ。だがしかし、もう一度言ってみた。「お願い!私も楽しくて思い入れのある宴にしたいし、私手先が不器用だから克服したいの。あと、リリアーナと一緒に手伝った方が2倍速くできる。だからいいかな?」と自分のあらゆる言葉を振り絞って言ってみたら、「それでは椿様!やってみましょうか。そこまでお手伝いしてくれるのなら時間的にもロスタイムがありませんですし、貴方ほどそこまで言ってきた方は生まれてきて初めてです。」と言い、椿は、「理解してくれてありがとう!じゃあ早速やりますか!!」と作業を始めると「ちょっと待ってください。まず衣装に汚れたらいけないのでこれを。」「私のお古で申し訳無いのですが。。(ペコリ)」 フリルのあるスカートにリボンの付いたエプロン。まさしくメイドって感じがする。「ありがとう」とリリアーナから受け取り、試着した。サイズもぴったりで申し分ない。「じゃあやろう!」と合図とともに床掃除をし始めた。最後の床を拭き終えるまで一生懸命心を込めて綺麗に拭いた。「ありがとうございます。おかげで凄く助かりました。後は飾り付けですね!」リリアーナ特製の手料理をテーブルに並べる。アヒージョ、七面鳥の丸焼き、ケーキ、シャンパンそれに羽フイーユ。いろんなバリエイションがあって楽しい。「羽フイーユは新作のお菓子です。ぜひ一口食べて見てください。椿様。」とリリアーナが言うので、食べてみると外サクっ中フワッまるで天国にいるようだ。 とろけるカスタードみたいなクリームがクリーミにトロける。言葉に表すことが出来ないほど美味しい。これなら、来てくれた皆は喜んでくれる。と椿は思い、最後の部屋の仕上げに取り掛かった。 そして先生が「どれどれできていますか?おーっすごい。とても豪華ですね」と覗いて宴の会場を視察しに来た。椿は、「リリアーナと一緒に頑張っています!見られるのは、恥ずかしいですが。。」とコメントを残した。先生も笑顔で「頑張ってください。僕も人数分のコップを並べます。」これでやり残すことがないぐらい完璧に仕上げることができた。 ようやく完成し、マカロン姫の生誕祭を無事準備する事ができて安心した。 明日はどんな風が待っているのだろう。すごく楽しみにしている様子の椿だった。
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