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その結果、相乗効果でバーは大繁盛するようになった。あいつも多くのお客で賑わって幸せそうだし、俺も多くの人に頼られて自信をつけた。そのうえ多少の出世もした。さらにただのアドバイスに謝礼までもらえて悠々自適。ついでに言うと、彼女と結婚の予定までできてしまった。
ラストオーダーを終え、静かな幸福感でいっぱいになったバー。俺とあいつ、ふたりで乾杯する。
「感謝してる。お前が右腕でバーをはじめてくれたおかげだよ」
「迷惑じゃなかったか?」
「迷惑じゃない。不便だな。それも最初だけ。いまではかけがえのないものになってる。全部お前とバーのおかげさ」
「自分の力じゃないか。こっちは酒を出す以外、なにもしてないぜ?」
「ぜんぶ酔った勢いだったんだよ」
「かもしれないな。でもお前にはもともと力があった。なのに遠慮しすぎるんだよ。不器用なんだ。肩から力を抜ければ、ガラリと変わると思ったんだ。たとえば、酒の力でも借りれば」
「まさか、お前……」
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