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「な? 一等地だと言ったろ」
あいつはニヤリと笑った。
「でだ。相談がある。おかげさまで儲かっている。二号店をオープンさせたいんだ」
「ふーん。今度は普通の土地なのか」
「いいや。お前の右肩を予定している」
「ああ、いいぜ。ちょうど空いている」
「よかった。てっきり断られるかと思った」
「おかげでお互い、上手くいっている。出店したいなら言ってくれ。協力する。場所は耳でも鼻でも、クチでも構わない。なんなら頭の中でも。ただし、左腕。ここだけはだめだ」
「どうして」
ふしぎそうに訊ねたあいつに、俺は嬉しさのあまりこう叫んだ。
「こういう生活、左団扇って言うんだろ?」
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