多分これは不可避

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 日曜日、十五時半、焦る私は眉間に皺が寄っているはず。  駅を出てスマホで地図を確認、全くわからないっ!!  方向音痴は昔からのこと。  スマホを手のひらの上でグルグル回してやっとのこと、まずは出口を間違えてることに気づき、駅へと戻る。  金曜日の夜、実家から電話があった。 『あんた、帰ってくるのは今夜じゃなくて明日の朝なの?』 『え?』  慌てて開いた予定表。  うっ、やっちゃった!!  あの時、連絡先交換しとくべきだった。ごめん、クロくん!!  土曜日は、日帰り実家で法事だった。  今日は、銀座で後輩たちとランチ後に、次はお茶しましょーと誘われたけど、用事があってと吉祥寺まで急いできてからの迷子となる。  罪滅ぼしのつもりで、地元では貰って嬉しい稲城屋の煎餅と、先程ランチした店で美味しそうに売られてたパンを土産に、クロくんの個展に駆け込んだのは日曜日の午後十六時。  閉館まで一時間のギリギリの時刻だった。   汗だくだしこんなんで会うの申し訳ない。  地下にある小さな部屋でクロくんの個展が開かれていた。
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