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「彩未センパイ!」
見ず知らずのすれ違うだけの人に私の名前を呼ばれ驚いて立ち止まった。
「えっと……?」
「彩未センパイ、ですよね? 舟木高校の」
それは確かに私の出身校だけど、誰!?
「オレ、ユウキといつもツルンでた、覚えてないっすか?」
ユウキ……。
高校時代、私の知っているユウキといえば、一人しかいない。
一瞬思い出すのは、彼との最後の瞬間。
ああ、嫌な感じ。
胸の奥がざわざわしてきて、すぐにそれに蓋をして考える。
目の前の彼のことを。
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