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「前之濱君、それ何読んでんの?」
「ミ、ミステリーだよ。」
「そーなんだ……」
まただ。またやってしまった。せっかく話しかけてくれる人だっているのに僕、前之濱 藍翔は話を続けることが苦手で友達が出来ていない。
僕だって友達と話したいし遊びにだって行きたい。まあこの性別だと無理なんだろうけど。
今話しかけてきてくれた子は多分僕の性を知らない。
この世界には男女とほかに3つの性がある。
希少で優等生なα
一般人のβ
希少で差別対象となるΩ
僕はカースト最下位のΩなのだ。中学生の時の検査でΩとわかった時からそれまで友達だった子達もまでが離れていった。
それから僕はΩだということを隠して生きてきている。3ヶ月に1回は発情期で休んでいるがそのこと自体も周りは気づいていないだろう。
しかし、中性的な見た目に伸びない背丈。これを見れば勘づかれることも少なくはない。
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