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また今日も明日も誰かと話すことの無いまま僕の大学生活は終わる。
ポツポツと頬に落ちる雨を感じながら帰り道を急ぐ。
「おらぁ、立てやこらぁ」
路地裏から怒鳴り声がして鈍い音がした。
僕に喧嘩を止める勇気はない。しかしその場で立ち止まってしまった。
ゆっくり路地裏を除く。そこには2人の男を囲むヤのつくお仕事であろう人達が数名居た。
囲まれている男ふたりの顔からは血が垂れていて僕にはとてもと言うほど助けられる状況ではない。音を立てないようにとゆっくり後ずさりをした。
その瞬間、目の前に大きな手とその手に持たれた布が見えた。そこで僕の意識は無くなった。
「おい。こいつどうすんだよ。」
「知らねーよ。見られたら回収って上からの命令だろ?それに城崎組の奴だったらどうすんだよ。」
微かに男たちの話し声がする。先程までの出来事を思い出して咄嗟に目を開けた。
どこかの廃ビルなのだろうか。割れた窓と鉄筋がとび出た壁が見える。
「お、目が開いてる。女だったらまだしも顔もよく見えねぇ様な男かよ。」
そう言って男が近づいてきた。
「うっ」
叫ぼうとした口を塞がれた。
「おっと、兄ちゃん。そういうの話だぜ」
口を塞いだ男がニヤッと笑う
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