Me と them

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「和也ぁ!お前いい加減素直になれよ!」  進の右ストレートが和也の頬に入った。が、元より避ける気が無い和也。かなりのダメージに2,3歩後ずさる。 「お前のほうが素直になれぇ!進っっ‼」  後ずさった分、勢いをつけて進の頬にパンチが入る。これも受けるのを上等と、進は避けない。なので、こちらも2,3歩後ずさった。    そんなふたりを祈るようにして見てる亜理紗。  男同士の決闘。互いに何発殴ったか、殴られたか。  幼なじみの三人。男の子だとか女の子だとか気にならないころからの仲良し。成長した三人の友情は、学校へ通うようになっても変わらなかった。  ただ、いくらかは、誰が言ったか知らないけど、男の子は男同士、女の子は女同士で遊ぶものだと、そういう雰囲気が作られていってたのも、それぞれ感じとってはいた。  でも、男2女1の三人でいるのが楽しいし、当たり前のものだった。  周りからは三人を茶化す連中もいたし、特別イジメがあるでもないけれど、女の子同士のヒミツの事柄を男子に言われちゃうんじゃないかと、亜理紗だけヒミツの話をされなかったりもした。  けれども学校では、お構いなしに仲良し三人組で通っていた。
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