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ある日、和也と進は遊んでばかりいてテストの点数も悪かったことから、居残り勉強をすることとなった。亜理紗は当然のごとく居残りはなし。
「亜理紗~~、お前どうやったんだよ~~?」
「え~~、別に~~、普通にしてただけなんだけど」
「ちょっとだけ教えてくれ。な、お願い」
手を合わせる進に、自分もと並んで和也も手を合わせた。
「教えてあげたくないわけじゃないんだけど~~」
「え~~、なんだよそれ」
「もったいつけてんじゃね~~って」
「それがひとにモノを頼む態度~~?」
亜理紗は腕を組んで、ぷいと斜め上を見る。
「ごめん。こいつバカだから」
「誰がバカだ?バカって言うほうがバカなんだぞ」
「ちがっ、今はこう言っとけば亜理紗が教えてくれんだろ?」
「あ、そうか。亜理紗、俺バカなんだ。教えてくれ、って、えっ?」
進の顔が赤くなった。それを見た亜理紗が笑う。
「ふふふ、ほんと、アンタたちってバカね~~」
「なんだよ、バカって。こんだけお願いしてるんだぞ」
「それがバカってこと。お願いはきちんとしなきゃ」
「う~~、もういい!」
「ああ、俺も!先に帰ったらいいよ!」
「言われなくたって帰るよ~~だ」
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