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亜理紗が帰ってしまって、やっぱり課題のプリントが進まないふたり。
そうこうしてると、同じく居残り組の男子が話しかけてきた。
「なあ、お前ら、好きな女子とかいんのかよ?」
ませたヤツ、剛太だ。いきなりそんな話題を持ってくるなんて、どうかしてる。けれども、和也も進もプリントそっちのけで頭を捻った。
考えてるふたりに、剛太は突っ込んだことを質問してきた。
「やっぱ亜理紗のことが好きなのか?」
「いやいやいや」
「そんなことない!」
全力でふたりして否定する。けれど、なんとなく和也は進が、進は和也が、亜理紗のことが気になってるんじゃないかと感じてた。
「じゃあさ、亜理紗のこと、俺、好きになっていいよな?」
剛太はまた突拍子もないことを言い出した。
すかさず進が止めに入った。
「あ~~、やめといたほうがいい!アイツ怒ると怖いし」
それは剛太のようにませてはないから、付き合うとか付き合わないとかという考えはまだできないけど、三人の関係が、いや、こころの奥のほうでは、和也と亜理紗の関係が壊れてしまうのを阻止するため。
「そうそう、性格キツイからな~~」
和也も進に続く。今の三人の楽しさが壊れるのがイヤだから。それに、考えが幼いのと言葉を知らないから、いきなり結婚というところまで飛躍してしまうけれど、大きくなって亜理紗と結婚するのは進だと思ってるから。
「なんだよお前ら、やっぱ亜理紗のことが好きなんじゃねぇか」
「違う違う、そんなんじゃないって。なぁ?」
「そうそう、俺らは剛太のことを思って言ってんだって」
「そうかなぁ?」
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