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「どうにか追い払ったんだけど、持ってるのも危険かな って気がして」
おや?
テントの外にて、御父上が捕らえられたであろう事には 誰も触れず、また “何故 追い払えたのか” と 疑問にも感じておらず。
御父上が、要らぬ記憶を誤魔化されたのやもしれません。
「でも... 」
小坂は、小瓶を見つめております。
小瓶の中の蜜は、秋の日差しを浴び、黄金色に輝いており。
また、殊に小坂にとっては、用途は無くとも 大きな思い出の物となってゆくのでは?... と 気づき。
私共を友として想い、私共も それを知り。
恋愛にも効く媚薬では ありますが、使わずとも 高島との心も通じ。
そうした深き思い出のものなのです。
要らぬ物... との考えを、改めた次第。
「綺麗だよね。
やっぱり、小坂が持っておいたら?」
小坂は、私に顔を向けましたが
「いや でも、四郎... 」
「もしまた、あいつ等が盗りに来たら... 」と、高島等が心配しており。
「おれが偽物を持ってたら どうかな?
小瓶の中にケーキシロップでも入れて」
その様に申してみますと、涼二が
「ダミーを持っておく ってこと?」と問い。
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