43

2/8

374人が本棚に入れています
本棚に追加
/1195ページ
「コイツ等 猫や、犬たちは、里に暮らす奴等だろ? 宿無しでも 人間の(そば)で暮らす。 それは、どうしてなのか わかるかい?」 猫や犬も、野の者と同じく、狩りも出来ましょう。 しかし 遠き昔から、人間と関りを深くして生きており。 「そりゃあなァ、オマエさん達の中に 愛情を芽生えさせる為なんだ。 まァ、互いに ってこったが。 飯の世話、トイレの世話、散歩に シャンプー、ブラシ掛け。毎日イタズラまでしやがる。 でもなァ、どうだい? コイツ等は、一心にオマエさん達を愛して信頼するんだ。ただ まっすぐにな。 人間同士なら、分かり合う為に言葉がある。 だがそれが、相手を傷つけちまったり、争いのタネになる事もある。 コイツ等には、そんなものは ねェ。 ただ ひたすらに、“大好きだ” と オマエさん達を愛して孤独を埋める。 幸福を教える為に、オマエさん達 人間の側に居るんだよ」 口を開けぬ 伊藤や 小坂に、フランキーは 「それを 知ってるんだろ?」と 申され。 「ソイツ等が、オマエさん達を見つけたんだ。 “もう 一度” と 願ったんだろうよ。 そうして会える事もあれば、会えねェ事もある。 だが、魂の繋がりは消えてねェ。必ず。 でもな、オマエさん達は 出会えたんだ」
/1195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

374人が本棚に入れています
本棚に追加