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「一人が 材料の鉄を支えて、一人がカットするんですか?」 真田の問いには 「違ウ。一人 ハ 作業場ノ上デ、材料ノ安定ヲ 図ル事」と 申されており 「安定?」と、全く分からぬままなのですが、銀色グレイは 「デハ」と、銀の音叉とマレットとなって 私の両手に収まり、また、どこからともなく現れた もう 一組の音叉とマレットが、高島の手に収まりました。 「材料ヲ 手前カラ 取リ、ソレゾレ 作業場 ニ 運ブ」 喋る音叉に命ぜられ、私と涼二は 建物の入口側に積まれた材料から、車のボンネットであったものを取り、作業場なる 白砂色のマットの上に運んでおります。高島と真田も同じく。 「結構、重いよね」 「これをカットか... 」 「あれ?!」 サイズ的に、白砂色のマットの上より はみ出すのですが、マットの上に ボンネットであったものを置こうとした時、ふと 重さが感じられなくなったのです。 いえ、重さを感じぬ というよりは、何らかの反発によって ボンネットが押し上げられるが如きに... 「これ、浮いてるんだけど!!」 涼二が申しますと、高島等も 「こっちもだ... 」と マットの上に浮く ボンネットであったものを見つめ、呆然としておったのです。
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