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「ダガ、マット カラ ハミ出ス 部分ハ、地上ノ重力ガ 作用スル タメ、グラツキ ガ 出ル。 カット スル タメニ、一人ガ 支エ、安定サセル事」 「カットねぇ... 」 「設計図通りに、上手く出来るのかな?」 反重力装置の上にて、音叉で金属をカットする など、誰 一人 上手くゆくとは思えずであったのですが 「早ク スル!」と 命じられ、涼二が端を支えておる ボンネットであった物に 音叉の下の部分を当て、マレットで叩いてみますと、音叉の下先は するりと抵抗なく進み、自動的に 設計図通りの形に パーツが切り出されてゆくのです...  恐るべし... 私の手の音叉と、カットされてゆく ボンネットであった物を見た 高島は 「考えたら負け ってことか... 」と、自身も音叉を叩き、自動的にパーツが切り出されてゆくのを見 「うわ すげー... 」と 只々 感心しております。 「四郎! 次、代わってよ」 涼二の申し出により、音叉とマレットを手渡しますと、パーツが切り出された残りの 元ボンネットを支えたのですが、“支えた” というよりは、“手を添えておく” だけで ぐらつかず、安定が得られたのです。
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