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「怪異でも、いろいろだよね」 「うん、面白い」 「でも 平太郎って人は、毎晩 一人で体験したんだろ? 一人だと キツイよな」 湯呑の紅茶を飲み干し、盆に置きますと 盆ごと消えました。 これは、怪異で御座いません。 「あっ、何か来た」 俵が飛来して参ります。二つ、三つ。 白く、きらきらとした粒を撒いております。 塩俵です。 「紅茶、飲んでて良かったな」 「これ入ってたら、塩辛くなるもんね」 「おっ?」 出現した高下駄が、襖を突き破りました。 塩俵と合わせ、八日目の怪異です。 「ん?」 「刀?」 盆が消えました場所、胡座をかく 私共の中心に 鞘に収まった 立派な護り刀が顕れました。 これは... 「触らない方がいい」と 申しました時には 護り刀は、真田の手に取られており 「これ、爺ちゃんが大切にしてるやつに似てる」と 言うのです。
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