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「へ?... さっきの妖怪って、これ?」
真田は、自身の手にある護り刀が 刃こぼれし
ガタガタになっておるのを認めると
「ああっ、爺ちゃんが ショックで倒れちゃう!
たぶん 家宝なのに!」と、座敷へ上がり
「斯くなる上は、切腹 致す」などと申すのです...
「真田、何 考えてんだよ?!」
「ダメだって!
爺ちゃんは、刀より 真田が大事だって!」
「大罪を犯すのですか?! 思い直されよ!」
「四郎も何か入った」と 高島が言うておりますが
真田は、「祖父に申し訳が立たぬ」と 正座をし
両手に持った護り刀を、自分に向けたのです。
「真田!」
『... 危ないわね』『... アレにしましょ』
刃こぼれした護り刀で 真田が腹を突くと
カション... と、音が響きました。
「これ、あれじゃない?」
「手品ナイフ?」
真田が刀を引くと、柄から刃が出ます。
「此れでは 死に切れぬ... 」
然もありましょう。
真田は 護り刀を喉に向け、躊躇 致しました。
手品ナイフであろうと、痛いのではないか?... と
予想したのでしょう。
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