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「これってさ、狐か狸の仕業じゃないのかな?」
真田が言い出しました。
「次々に いろんなことをしてくるし
“化かす” って感じがする」
「狐や狸に失礼だろ。普通に生きてるだけなのに」と 高島が申しますが、涼二が
「長生きした狐や狸は、化かしが出来るようになるんだぜ。そんなの 昔から有名じゃないか。
猫だって、尾が二つになるし」と 物申します。
「うん、狐は 神様の御使いになってたりするしね」
私も 申しますと、高島は 反論は止めておいたようで、「でも 狐や狸だったら どうなんだよ?」と
真田に振ります。
「罠で捕まえる」
「えー、かわいそうじゃない?」
涼二が 反対しようとしたところ
「捕まえるけど、友達になる。
一方的に化かされてたら、話せないし
“すーぐ引っ掛かる” って バカにされてる気もするんだ。
だから 捕まえたら、“なかなかじゃないか” って
なるだろ?」と、よく分からぬ理屈です。
「認めてもらうために 捕まえる ってことか?」
高島は、狐や狸に 認めて頂きたくなったようです。化かされるだけではない と。
「そう! だから、罠 作ろうぜ。怪我しないやつ」
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