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私共は、行燈ライトを持って 納屋へ行き
立て掛けてあった竹や、川に仕掛けるのであろう網、ナタなどを取り出して、庭で 罠らしきものを作りました。
竹で 縁側に柵を作り、どの柵に触れても
柵は外側に倒れ、柵についた糸が 屋根の上に仕掛けた網を引きます。
しかし、この網で捕らえるのではなく
網を避け、外塀へ向かうと そこにも網が敷かれておるのですが、ここからは 残念ながら手動です。
庭の木に渡した縄を引くと、網が狭まって吊り上がり、中には狐や狸が... と。
縄は 木を中継し、外塀の外にあるので
私と涼二が 外の闇に紛れ、待っておるのです。
残念な予感しか御座いませんが、皆で相談しながら 罠を作る事自体は、楽しいもので御座いました。
ついでに 真田が、竹と糸で弓を作り
「射ったりしないけど、“弓もあるぞ” って見せて
塀の方に向かわせるから!」と 張り切り
「何かが 塀に向かったら、名前 呼ぶから」と
高島に 外に出された次第。
「暗いけど、星はキレイだね」
「はい。昔と変わらず」
縄を持って 塀の下に しゃがみ
夜空を見上げつつ、小声で話します。
塀の中からは、高島と真田の
「何も起こらねぇなぁ」
「今までも全然 怖くなかったしな」という
挑発する声が聞こえて参ります。
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