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 子ネコを引き取った私は、一緒に私が住んでいるマンションの一室に帰りました。  家に着くと、すぐさまゲージを開けて子ネコを出してあげました。ゲージから出てきた子ネコは知らない世界に怯えながらも探索を始めました。  小さな足でトテトテと歩くその姿に、何とも言えない感情が沸きました。  これは一体なんでしょうか……私は考えますが、しかし先にご飯をあげなければいけません。私は購入したキャットフードをお皿の上に出してあげました。食べてくれるでしょうか……。  ご飯を目にした子ネコは徐々に近づき、そして食べ始めました。よほどお腹が空いていたのか、必死に食べています。  その姿を私は、食べ終わるまで眺めていました。まだまだ不安だったからです。  でもその子はご飯を食べ終えると、私の方を見て「ミャア」と小さな声で鳴きました。  お礼を言っているのでしょうか、それともおかわりを要求しているのか、私にはわかりません。  だけど……一つだけ、わかることがあります。  足元にすり寄ってきた――この子は私に心を許してくれたということです。  大学を卒業してからずっと仕事しかしてこなかった、誰にも愛されることがなかった私。  そんな私を、この子は求めてくれたのです。体の内側から嬉しいという感情が沸き上がってきました。  無意識に涙を流していた私はその子に、こう名付けました――『アイ』と。  それから、私とアイの日々が始まりました。
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