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日本人が悪役なのに、胸がスカッとする矛盾…香港
香港の映画会社「Golden Harvest(ゴールデン・ハーベスト)」の作品冒頭で流れるプロモーション映像って、ご存知ですかねえ?
♪デン!デン!デン、デ~ン~ ・・・・て力強いドラムに乗って
赤い"G"のロゴマークが画面中央に打ち込まれる映像です。
僕の個人的な香港のイメージが実はこれなんです。
アジアの匂いを残しつつ、欧米のテイストが強く香る、というか。
その雰囲気のまま、近代化が進む街、みたいな。
初期のジャッキー・チェンの映画でたいていご覧になれます。
ジャッキー・チェンのコミカルなカンフー映画は、僕が高校生の頃に一世風靡しました。その5年後、実際に訪れた香港の免税店にはジャッキー・チェンのT-シャツやら、缶バッチやらのキャラクター商品が並べられていましたねえ。
さらにそれから約5年後に再びこの地を訪れました。
おもちゃ業界に身を置いた僕は、いずれ日本に上陸するであろう、トイザらスを視察しておきたかったんです。
(この時はまだ日本にはトイザらスはありません。香港と台湾には既に出店していました。)
趣味と実益を兼ねた目的もありまして。
欧米の商品流通ルートに乗って、日本では手に入らないアメリカのおもちゃもたくさん扱われていましたから、それが見たくて。
あともう一つ。
香港のカンフースターでレジェンドでもある「ブルース・リー」の
おもちゃがあるか否か?を確かめたかったんです。
ブルース・リーはジャッキー・チェンの大先輩ですから、そのカンフー映画となりますと、さらに昔です。
その中に「ドラゴン怒りの鉄拳」という作品があります。
上海に日本人の柔道家の道場ができるんですが、その主が悪い奴で(あはは!)ブルース・リー扮する主人公のカンフー道場の師匠を毒殺するんですね、で、中国武術の達人でもある彼が復讐に走る、と。
ストーリーのベースとして、舞台が上海なのに差別される地元の中国人がいるわけですよ、進出してきた日本人に。第二次大戦後の反日感情も多少なりともありましたから、当時の香港の人々はさぞスカッ!としたでしょうねえ。
子どもだった僕も、映画の中で蹴り飛ばされ、ヌンチャクでぶん殴られる
のが柔道着や袴をつけた日本人武道家(もちろん香港の役者なんだけど)なのは重々承知のうえで、ブルース・リーのカッコよさに痺れました。
当時、「ヌンチャクのおもちゃ」なんてなかったんです。(今は100均のおもちゃコーナーにすら、ある。)
仕方ないから、適当な木の棒をヒモや鎖でつないで自分で作って遊んだものです。振り回すから、危ない、危ない。
話が反れましたな。
香港のトイザらスに、ブルース・リーのおもちゃはあったか?
やっぱり、ありました!
人形の手に持たせる付属品はヌンチャクじゃなくて、棒だったけど。
細マッチョで凛々しい表情は、今なお色褪せません。
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