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26-6
「うん」
「礼華くんは真面目だと思うけど、朱雨くんちゃんとやってた? 抜けてパチスロとか行ってない?」
「どうだったかなぁ…」
礼華がとぼけると、朱雨は礼華につっこむ。
「おい待て礼華! ちゃんとやってたって証言してくれ!」
「ちゃんとやってたような気がするかな?」
「気がするって!」
「じゃあ、ちゃんとやってたってことにして、帰りにパチスロ?」
綺悧が更にいじる。
「行ってねぇよ!」
「気を付けて下さいよー? このご時世なんだから」
「だから行ってねぇっつーの!」
前回のライブでも感じたが、綺悧が取り回すMCはテンポよく、メンバーそれぞれのキャラを引き出している。一度ライブを見れば、それぞれがどんなタイプのキャラクターなのかを把握することが出来る。
「このトーク力、ユウセイさん譲りって感じ」
往時のユウセイのMCも楽しいもので、彼のバンドに興味がない者も、ついMCに引き込まれ、その結果ライブ自体を全部見てしまうような物だった。特に、よく喋る綺悧と寡黙に控えている宵闇は、ユウセイとタイジの対比を思い起こさせる。
「不思議なもんだな。お互いまだ知らないっつーのに。彩人くんがユウセイくんのMC見て覚えたわけじゃねーんだろ?」
「うん。昔のビデオなんか特に、MCなんか入ってなかったもんね」
「こんなんも遺伝するのかな」
「するのかもねぇ? 和馬さんと貴昭さんもやっぱり似てるし」
「身長?」
180cmを越える身長は、和馬から貴昭にしっかりと受け継がれている。顔立ちはかおるに似ていて、和馬にはほとんど似ていないので、第一印象では身長しか似ていないと思った。が、何度か貴昭と会ううちに、似ているところが見えてきた。
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