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27-12
「ユウセイさん、式やろう。あたし、しおんちゃんのドレスなら着たい」
「俺のタキシードは?」
「それはそこらで買って来て」
「おいおいおいー!」
ユウセイがツッコむと、3人は笑う。
「ま、それは後から考えます。俺、正直メンズあんまり得意じゃないから、得意な人探しときます」
「頼むよー。あんま落差あると、流石に俺も悲しいわ」
どんな招待客が揃うだろう。その場では、もしかしたら笑顔のタイジが見られるかもしれない。そう思うと、しおんも楽しくなって来る。
きっと、楽しい日になる。
にこにこしている和馬の顔を見る。彼も、まだ付き合いの浅い彼らを心から祝福してくれている。
「ねぇ、裕奈ちゃん」
小さな声で聞いてみる。
「なに?」
「幸せ?」
彼女は、少女のようにはにかんで、そして頷く。
「うん」
鮮やかな花が咲きこぼれるように、彼女は微笑んだ。
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