エピローグ/色づくように。

5/11
前へ
/138ページ
次へ
     ◇  昨日の嵐がようやく、通り過ぎ。 ここへ来て初めての寝不足に、私はほうきを持ち上げるながら、大あくびをすると。 それに反応したかのように、丼に吠えられ一瞬にして目をさまします。 「おはようクローラ。眠そうね」 「はい。今日は大変に眠いんですよ。大変だったもので」 「何が大変だったの、今のあなたの言葉のほうが私にとって不安よ?」  寝ぼけている状況での、変な言葉使いになっていることは気づいていましたが、 指摘されるとさすがに恥ずかしくなりましたが。 昨日の出来事を聞いて頂けたら、誰しも寝不足になり、呂律も回らなくなるだろうことは 攻めることができないと。こずえさんに前振りをし、お店で再度私が電話を取ってからのことを、 登場人物全員含めて解説すること10分弱。話し終えたときには私は疲れ切っていましたが、 こずえさんは、拍手をして笑いながら言いました。 「ははは、搔い摘むと、こうかしら? お爺さんが一方的に連絡を切られて、次に電話をしてきたのがクローラの御両親。 その御両親もあまりにも急な娘の発言にパニックになって、クローラが今回のことを説明する前に、電話を切られた直後に、またお爺さんから連絡がきて、今度こそクローラが今回のことを説明しようとしたら、お爺さんがバタンと倒れて——」
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加