エピローグ/色づくように。

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「成長したね」  その言葉がなぜか風鈴とかぶり、驚きながら私は「ありがとうございます」と言いました。  ですが、ここでお話は終わらず、本題はここからだったのです。  さて、それならどこの絵を教わるから始まり、その先にある学校までの計画を立て始め。 それならば、住む場所を考慮してとか、とか、とか、とか。 最後には思い立ったら吉日と言わんばかりに、 「明日おじいさんを迎えにおくる!」と言われたのが、この家族会議の終了の合図だったのです。  あまりにもな展開に、私はその場にいた風鈴に相談すると。 「わかりました。すぐに用意をしましょう」と慣れた感じで身支度をはじめます。 まるで最初のおじいさんの電話で、どうなるか分かっていたかのように、 風鈴は何も変わらず微笑みながら私の荷造りを手伝ってもらい、最終的に終わったのが23時。  とんとん拍子。 その言葉が合うのはわかってはいるのですが。 「クローラ?どうかされましたか?」 「……ふふ、私が驚いているんです。一日で、こんなにも変化するなんて知りませんでした。……鈴さん」 「はい」 「おせわになりました」 「ふふ」  こうして風鈴との挨拶を終わらせ、 私たちは遅くなった朝食の支度をはじめました。
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