エピローグ/色づくように。

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「風鈴はこれからどうするんだい?」 「私ですか?そうですね」  乙女に言われ、これからの事をふと頭を巡らせますが、 答えは決まっています。  私はもう一度微笑みながら乙女に答えました。 「次の子が来るまで、すこし横にでもなりましょうかね」  そう伝えると、乙女はため息交じりに微笑みながら、ありがとうと言い残し。 電話を切りました。  とても短い電話。 あまりにも長い電話は感傷的にさせてしまうと知ってしまったので。 短くお別れは明るくすることに決めています。 「さて、2階も整理」  2階の電気を落とし、キッチンのガスを止め。ライフラインは水と電話だけにします。 点検するものはないはずと、最後に1階の周辺と3階を見て終わりです。  1階周辺をぐるっと回ると、こずえにばったり出会い。 また寝るのねと言われ、しばしのお別れを済ませ3階へと向かいます。 「奇麗に使ってくれました」  来た子たちは決まって、奇麗にしてくれるので助かり、 長年にわたって活躍し続けている家具たちに手で撫でながら。 机の上に置いてあるノートを発見し微笑みます。 「ふふ、本当に過去から未来へつながりましたね」  私は、クローラが何を書いたか知らぬままに。 寝室へと入り、先ほど撮ったばかりのポラロイド写真を壁に貼り付けました。 「これで良し」  私は部屋に飾ったある写真を、ゆっくりと見渡しながら感謝の気持ちにあふれていました。 私にこんなにも、温かい思い出をくれてありがとうと。 「ふふ」  私はパジャマに着替え布団に入ります。 最後にもう一度だけ写真を見て微笑み、目を閉じました。 「おやすみなさい」  そして私は次の子が来るまで、長い長いうたたねをするのでした。 /end
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