Ever Love

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2人だけの挙式とハネムーンをかねてハワイに行ってきた。 彼女に喜んでもらいたくてプレゼントしたんだけれど 今思い返せば僕の方が楽しんでいたような気がする。 来月は仕事上の付き合いで披露宴を それとは別に友人だけのガーデンパーティーと親族だけの挙式もする。 何でこんなにも細かくするのかというと 僕はまだ24歳だけれど、一応グループ会社の跡取りだから。 24歳で結婚、早くない!?と聞かれることもあったけど全く早くはない。 これでも我慢に我慢を重ねて、24歳まで待っていたから。 だから1か月前に入籍をした時は 彼女を永遠に手にいれることができた安心感と これから毎日この人と一緒に過ごせる幸福感で 1人テンションがあがっていた。 僕の親と彼女のご両親は古くからの友人で、よくお互いの家を行き来していたけれど 彼女と僕は6歳離れていて 彼女は16歳の時にイギリスに留学をしてしまったから 僕がもつ彼女の記憶は10歳の頃で止まっていた。 小学4年生の記憶なんて朧気だし ましてや高校生と話が合うこともなく たいした交流もなかったと思う。 それに彼女には僕と同い年の弟がいて どうしたって男同士つるんでしまうから 将生が彼女をお姉ちゃんと呼ぶように 僕にとっても彼女は “お姉さん“ だった。 彼女と再会したのは、6年前。 うちの会社の創立パーティーの時だった。 ちょうど、イギリスから戻ってきた頃で家族でパーティーに参加してくれた。 8年ぶりの彼女は僕の朧気な記憶とは全く違って ただただ、きれいなお姉さんだった。 そこから紆余曲折があって付き合えることになったけれど プロポーズは何回も断られていた。 それでも諦めず、何度も何度もトライしてようやくOKをもらえたんだ。 僕の家族も彼女の家族も半ば諦めていたから 彼女が結婚を決めてくれたことをすごく喜んでくれて 僕の諦めの悪さを褒め称えてくれた。 今日は帰国してから初めての休日。 彼女のリクエストでドライブに来ている。 『ねぇ、この先ずっと一緒にいられると思う?』 『僕はずっと一緒にいたいと思っているけど。』 『でももしかしたらこの先、離婚することもあるかもしれないね。』 『どうかな?それはないと思うけれど。』 『浮気は即、離婚ね。』 『それは絶対にないかな。だってようやく手に入れたんだから。』 彼女は茶目っ気たっぷりに僕を試すようなことを言う。 僕はこの先何度でも 『君が好きだ。』 と言うよ。 女心がわからなくて怒られることも多々あると思うけれど それならいつだって 『ごめんね。』 って言うし 『ありがとう。』 って伝えるよ。 彼女が僕と一緒にいてくれることは僕にとって 『ありがとう。』 でしかないからさ。 今度は僕が 『ねえ、この先ずっと一緒にいられると思う?』 って聞いた。 『どうだろ?私の方が年上だからすぐにおばさんになっちゃうし飽きられちゃうかも。』 とか可愛いこと言うから笑ってしまった。 『でも僕はおばさんになってもおばあさんになっても君が好きだよ。』
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