In Love

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『本気で好きになったかも…。』 『うん。顔見てすぐわかったよ。』 『うそ!そんなダダもれてる?』 『もれてるもれてる。』 『でも、昨日はじめてデートしただけで向こうが本気かはわかんなくて…。』 『回数とか関係なくない?要は密度の問題でしょ?』 『…。じゃあ、ノロケになるかもだけど聞いてくれる?それでジャッジしてくれる?』 『辛口でも良いならね。』 日曜日の昼下がりに親友の千華ちゃんと代官山ミケランジェロで定期女子会。 今日のお題は私の恋愛話。 友達の紹介っていうありがちな展開で彼とは知り合ったけど、仕事が忙しい人でなかなか2人で会う時間が作れなくて、SNSが主なコミュニケーションツールになっている。 私はInstagramで朝ごはんをよくアップしていて、それを見た彼が “急だけど明日、朝ごはん一緒に食べよう。” って誘ってくれたのが昨日デートをしたきっかけ。 私の朝は作るのと食べに行くのとハーフハーフだから作って欲しいのかな?って思って聞いてみたら “もちろん、手料理も食べたいけど。今回は朝活ってことで食べに行かない?” って土曜日の朝6時に家まで車で迎えに来てくれて、そこから2時間くらいドライブして海沿いの漁師さんがしてるっていう小さい和食やさんに連れていってくれた。 『えー?なにそれ。かっこいいじゃん。』 『ね、大人の男って感じだよね。』 常連なのかお店の人とも仲が良い感じで “女性連れなんてめずらしいですねー。” とか言われてて、向こうも少し照れたりするから私も恥ずかしくなっちゃったりして…。 ご飯食べてからは手を繋いで少し浜辺を散歩したりもした。 この日は午後にもともと別件の約束があったみたいでお昼頃には都内に戻ってきたんだけど、別れる前に “今日は楽しかった。” って言って軽くキスしてくれて…。 それでさっきね “昨日は楽しかったね。また会いたい。” ってLINEが来たの。 『それってさ、脈あり以外の何ものでもなくない?密度、濃すぎでしょー。』 『今のって辛口採点、甘口採点どっち?』 『ちょー、辛口!!』 『ウケる!』 『私さ、個人的な考えなんだけど。朝と夜のどっちを好きな人2人で過ごすのかってなると、朝の方がお互いの信頼度っていうか関係性が濃いというか…。ちょっと表現しにくいんだけど特別感みたいなのを感じるんだよねー。』 『それちょっとわかる…。』 『モーニングコーヒーってちょっとエロいじゃん?』 『秘密の夜を共有した的な?』 『そうそう!それに似た感じがすごくするんだよねー。』 『まぁ、夜を共にしての朝ではないけどね。』 『今回のはそれが良いんじゃん!大事にされてる的な?』 『まぁ、あの後に会ったのが他の女でなければね…。』 『そうゆうのはダメだよ!!』 『なにが?』 『たまたま、最近読んだ本に書いてて。口にする言葉って未来に影響するんだって!』 『引き寄せの法則的な?』 『なんかそれとはちょっと違ったけど、まぁとりあえずよくないみたい。』 確かに自分が特別な存在かもしれないって期待してるのに、口では否定するってちょっと違うかも…。 久々に“やられた!“って感じがあったから彼専用の着信音を設定したわけで、この段階で要するに私も夢中ってこと…。 だっていきなり会おうとか誘うのはテンションあがるじゃない? 朝の6時にメイクもばっちりするのが良いのかどうか悩んじゃうあたり 少しでも可愛いって思われたくて何度も鏡で服を確認しちゃうあたり もう恋する乙女で間違いないんじゃない? 私の好きなファッションで絶妙な空気感で 現れた彼を好きになるなって方が難しい。 『彼、本気っぽいしうまくいけば結婚までいっちゃうかもね。』 『やっぱり?そう思う?実は私も想像しちゃった。』 『それならさ、“かも。“じゃなくて“です。”って言い切りなよー。』 『ほんとそれな!』 『じゃあ、気を取り直して。さぁどうぞ。』 『私、本気で好きです。』 『はい!良くできました。てことで、今日は奢りでよろしくー!それとうまくいったらその人の友達も紹介してね♡』 『あはは!もちろん!』
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