Fated -Japanese Boy-

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Fated -Japanese Boy-

一目惚れなんて初めてだった。 だから、この恋をどう進めたら良いのかわからなかった…。 彼女を見たのは美歩のInstagram。 美歩は大学からのツレでアクティブなやつなんだけど、美人なくせに気取ったところもなくてどっちかって言うと性格もさばさばしてるから女だけど付き合いやすい。 俺はまぁまぁモテる。 いや、かなりモテる…。 だけど女って仕事みたいにやれば成果が出るってことでもなくて、複雑だから “女心わかってなさすぎ!” とか言われてフラれる。 まぁまぁフラれる。 恋愛って変だよな? 始まりはわけなく訪れるのに終わりは必ず意味があるんだから。 まぁ、それはさておき そのInstagramを見て一緒に写ってた子に一目惚れしたんだけど 俺は運命なんて信じる達じゃないのに何もかもを一瞬で変えてしまうかのような衝撃で きっと実際に目と目が合ったらこれは恋なんだと確信に変わると男ながら思った。 だけど、どうやって会う? 美歩に紹介してって頼むのが簡単だけど彼氏もちかも知れないし…。って思ったら足がすくむ。 でも、なにもしなければなにも始まらないから 叶わないかもしれないけど当たって砕けることにした。 “あー、瞳ね。1個下でフリーなんだけど、ちょっと難しいかも…。” “好きな男いる系?” “ではなくて、紹介とか嫌うんだよねー。まぁ、ちょっと方法考えてみるわ。” 美歩は快く引き受けてくれたけど、彼女自身が結構、難易度が高いらしい。 “今週土曜さ、瞳とボルダリング行くしそこで偶然を装って会うのはどう? 瞳は初心者だから望月が教えてあげたら仲も深まるんじゃない?” 美歩のナイスな提案に乗ることにした俺は当日少し早めに言ってボルダリングをしながら彼女たちを待った。 『あれ?美歩、久しぶりじゃん。』 と俳優気取りで芝居を打つ。 美歩も会話に乗っかってくれてスムーズに瞳ちゃんのコーチ役を買うことができた。 拒否られない程度の距離感で、爽やかに、それでいて男らしく教える…。 彼女は俺にはほぼほぼ興味がなさそうだけど、ボルダリングには熱心に取り組んでいた。 その姿に俺は年甲斐もなくドキドキしてしまう。 彼女が話しかけてくれるたびに、今2人でいることが現実だと実感するけど 俺と君の道は繋がることができるのだろうか…。 自分から告白して付き合ったことがない俺には解読不能な難題に思える。 『望月、ちょっと良い?』 『なに?』 『瞳を誘うなら超ストレートに言わなきゃダメだからね?』 『え?どういうこと?』 『“時間あればご飯いきません?“ とかじゃなくて “デートしてください。” じゃないとダメってこと。』 『それ、日本男子にはハードル高くね?』 『高いの!瞳は高いのよ!それが無理なら諦めた方がいい。瞳は常にストレートしか受け付けないから。』 『まじか…。』 『まぁ、望月の味方をする訳じゃないけど…。中身は合格ラインだと思う。』 『え?ビジュアルはだめ?ってこと?』 『背が高いことと小綺麗なとこはありだけど、望月は日本人だからね…。』 『は?国籍?』 『あの子、白人が好きなのよ。歴代はみんな外人だから…。日本人はストレートに気持ち伝えないから好きじゃないんだって。逆を言えばストレートなら日本人でも良いってこと。』 なるほどね、だから難易度高いのか。 俺はアメリカ人。 俺はアメリカ人…。 俺はアメリカ人……。 名前はマイケル。 名前はマイケル…。 そう思い込めば 『次の休み、デートしませんか?』 って言えるかもしれない。 瞳ちゃんのところに戻ってボルダリングを見ていると手を滑らせて落下しそうになった。 慌てて体を支えると すごく可愛い顔で 『ありがとうございます!』 って言ったから 『結婚してください。』 って思わず言ってしまった…。 俺の一目惚れ…。 俺の初恋…。 たった今終わった…。 と思ったけど 瞳ちゃんは 『初めてですよ!プロポーズされたのは…。』 と言って笑ってくれた。
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