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I'm beside you
あなたのことを忘れたことは1度もなかった。
出逢ってから今この瞬間も…。
2016年3月 <出逢い> -大阪-
初めて話をした日は嬉しくて何度も頭のなかで会話を思い出していた。
1年たっても特別な関係になることはできなかったけれど
周りと同じ扱いをされない自分は彼女がいない彼にとって
特別な存在で
2人の関係が変わるのは時間の問題だと思っていた。
彼女という称号を与えられなくても
会いたいときに会える、話したいときに話せるこの環境に不満はなかった。
2017年3月 <別れ> -西宮-
彼が大阪から西宮へ異動をしてしまったことで物理的な距離ができてしまい
微妙だった関係は消滅することも終止符を打たれることもなく
永久保存するかのように氷ってしまった。
行き場がなくなった私の気持ちも色褪せることなく私の心の中心に鎮座していて
目の前からいなくなってしまった受け入れがたい現実も時間がたつにつれて日常化してしまい
毎日顔が見れていた環境から
1.2ヶ月に1回ぐらいに頻度が落ちても
淋しさとうまく付き合えるようになっていた。
お互いがお互いの事を特別な存在だと言い切れる自信があって
相手からのアクションがあるはずと過度な期待をお互いが持ち続けている。
だけど私たちはお互いの連絡先も知らないクレイジーな関係で
2018年の2月にチョコと一緒にLINEのIDを書いて渡したけれどLINEが来ることはなかった。
2019年3月 <再会> -大阪-
予期せぬ再会に喜んだのもつかの間
意識をしすぎるあまり止まっていた時間を動かすことは難しい。
過度な期待と謎の自信はここでも存在していて
お互いが待ちの姿勢を貫き努力もせず
起こるはずもない奇跡をただ待ち続けた。
半年間は一緒の場所にいられることで胡座をかいていた私たちに神様は味方をすることはなく
また彼は私の目の前から消えた。
2019年9月 <別れ> -京都-
以前の別れとはうって変わり
消息が全くわからず異動なのか退職なのか…。
全くなにもわからない状況が1ヶ月以上続いて諦めていた頃に偶然再会をした。
今思えば土曜日で観光客が多いあの通りを
同じ時間に歩くことは極めて0に近い確率だけれどあの頃は会えたという事実だけがすべてだった。
それからしばらくしてから配属された店舗がわかりはしたけれど
私たちの関係は凍ったまま溶かす術がわからずただ時間だけが過ぎていった。
だけどここに来れば顔が見られる。
それだけでよかった。
私はなにも変わらない。
永久保存されたこの気持ちは
誰と出会っても付き合っても
書き消されることはなかった。
溶かすことができるのは彼だけで
その日がくることを私は待っている。
ずっと好きでいてる。
どんなに時間がたっても距離ができても
それは変わらない。
2020年9月 <別れ> -名古屋-
左手人差し指に4年間つけられていたリングが8月のある日突然左手薬指につけ変えられて
9月から名古屋へ異動…。
衝撃的なことが私の目の前に現れる。
これは何もしなかった私への罰。
過ぎ去った時はもう戻せない。
近くにいてくれた君が恋しい。
私はずっと逃げていた。
周りの目ばかり気にして素直になれなかった。
勇気を出せなかった。
現実に向き合えないくせに
彼の事を思い出しては1人で泣いていた。
あなたのことを私は今でも思い続けている。
これから先どれだけ時間が流れていっても
いつでもどんなに離れていようとも
淋しくても
また会えることを信じて。
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