Lovers Again

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“3秒ルール” と言えば落とした食べ物を3秒以内に拾ったら食べれるってやつだけど “3年ルール” と言えば…? 告白をされて付き合った人とも 自分の片思いから付き合った人でも 何故か私は3年たったら別れている。 飽きた訳じゃない。 嫌いになった訳じゃない。 もちろん問題があった訳でもない。 ただ “もういいのかな。” という気持ちになり 一緒にいるのがめんどくさくなって 結果、自分から別れ話をする。 1・3・6・9は別れの危機とかよく言うけれど私の場合はこれではない。 私は本気で誰かを好きになることができない。 自分自身のことを好きにならないと幸せにはなれないとか “引き寄せの法則” でよく言ってたりしているけれど 私はきっと必要以上に自分のことが好きなんだと思う。 それはナルシストとは違う別の意味で異常なまでに…。 だから誰かを自分以上に大事には思えない。 無償の愛なんて私には存在しない。 別れて半年たてば新しい男と付き合っているのがその証拠。 だけど27歳の時にこのルールを破る男が初めて現れて 私は3年はおろか僅か1年でその人と別れた。 そこから2年たった今も彼氏はいない。 “雪が降っている横浜でデート” というシチュエーションで告白をされたことにテンションが上がって男のジャッジを間違えた訳じゃない。 きっとこの人のことは何処で出会っていても いつ出会っていても付き合っていたと思う。 むしろ今までに感じたことのない感情を彼に持ち始めたから それの扱いがわからなくて私はあの恋から逃げ出した。 それなのに街で彼に似た後ろ姿を見かける度に会いたい気持ちと会えない気持ちが混在して私の心は忙しくなる。 同棲をしたのも初めてだった。 どちらが言わずとも自然と一緒に暮らし初めて一緒の時間を過ごすことが当たり前になっていた。 何もかもが自然で時の流れが穏やかだったからこそ 私は今でもあの人への気持ちを 消すことができないんだろう。 あの人が部屋を出てから2度目の冬が来た今も。 もう一度会いたいと願うけれど 何を話せば良いのだろう。 この胸の痛みを伝えれば 失くした永遠よりも大切な何かを手にすることができるんだろうか。 “別れよう”と私から言った。 それなのに何度それを後悔したことだろう。 時間だけを巻き戻せたらいいのに。 つよがりなんて何の意味も持たないことを本当は気がついていた。 1人では愛した記憶さえもむなしくて もう2度とあんなに誰かのことを愛せない。 もう一度めぐり会えたら その手を離さない。 言葉にできない思いが溢れていく。 女々しいけれど記念日の今日は 少し勇気を出して 横浜のあの思い出の場所にいってみよう。 別れてから避けてきたあの場所に。 もし、そこで彼と会えたのなら 今度はもっと素直に 気持ちを伝えられる言葉が見つけられなくても 不器用でもカッコ悪くても これが私なのだから。 ルールなんて関係ない。
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