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I want to be ‥。
「美樹ちゃん。それって洋平さんとお揃いのピアス?」
「はい。」
「えーラブラブー♡」
「たまたまさ、買い物に一人で行ったら美樹に似合いそうなピアス見つけてさ。美樹、アクセ好きで集めてるし良いかなーと思って買ったんだよね。で、つけてるとこ見たら可愛くてさ俺も後日同じのを買って、結果お揃い的なやつよ。」
『‥。』
「さすがスパダリ洋平さん。やることが違うわー。ね?香帆ちゃん。」
「このグループのメンズで洋平さんが最強説ありますよね。」
「よく言うよー。修二さんの香帆ちゃんへの愛も相当最強だよー。」
「硬派な見た目からは考えられない、嫉妬心多めの過保護で重めの愛ね。ってほらまた横で拗ねてる笑」
「でも、愛されてることを実感できるから、それはそれで羨ましいよ。」
『‥。』
俺は今、【彼女会】と言われる会に参加している。
簡単に言えば俺らのグループとその彼女を交えた飲み会。彼女お披露目会みたいなやつ。
前に達哉が声かけて一度やったことがあって 今日が2回目。
今回は俺の彼女、洋平の彼女。修二の彼女。あとの2人の彼女は仕事の都合で来れないらしく不参加だった。
『なー、亮。スパダリってなに?』
俺は隣の席に座ってる今日は一人参加の亮に小声で聞いてみた。
「スーパーダーリンの略。」
『?』
「ハイスペックかつ包容力や余裕を持った“デキる大人の男”の事。」
『‥マジか。洋平が最強のスパダリ‥。』
「そりゃそうなんじゃない?ヨウは俺らでさえ、怒ってるところとか見たことがないし、優しさ、気遣いの塊みたいなやつじゃん。
しかも本人は無意識で計算も努力もなにもなくあれでしょ?香帆ちゃんが最強って言ったのもあながち嘘じゃないよ。
まぁ、修二は修二でギャップ萌えなところが沙織ちゃんが言ったように最強って説もあるけどね。」
『‥。なー、亮も彼女に‥。』
「んー。日頃の感謝を込めて的なことはマメにするようにはしてるかな。
それが物のときもあればそうじゃない時もあったり‥。」
思い起こせば俺は、沙織にそんなことをしたことはなかった。
一緒にいるのが当たり前とかは思ってないけど、亮が言ったように日頃の感謝とか伝えたことはなかったし
“好き。”の一言でさえ、ハズくて中々言えない。
だからと言って沙織から俺への不満みたいなことを言われたことはないし、そういう類いのことでケンカしたこともない。
だけど、沙織だって本当は‥。
*********************
『ねーーぇ、ちょっと来て。』
彼女会から何日後かの夜、仕事から帰ってきた俺は玄関に沙織を呼んだ。
「どしたー?」
『ん‥。これ。』
俺は自分の後ろに隠し持っていた花束を彼女の目の前に差し出した。
「なにこれ、どーしたの?」
『買った。』
「えっ!?」
『んな、驚くことねーじゃん。』
「だって、お花ってお花やさんに売ってるんだよ?あんな可愛い空間に一人で行ったの?」
『お前さ‥。』
「あ、ごめん。嬉しくってつい‥。
でも何で今日、花束?」
『‥。女子って何でもない日にモノもらったりするの嬉しいんでしょ?ってお前は女子って年でもないけど‥。』
“やべっ。余計なことまでいっちまった。ぜってー怒ってる。”
俺は恐る恐る彼女の顔を覗いてみた。
彼女は俺の予想とは反して、目に一杯の涙をためながら愛しそうに花束を見ていた。
そして最高の笑顔を俺にむけ
「ありがとう。」と言ってくれた。
“あー、たぶん。みんなが日頃彼女にしていることって、もちろん彼女を喜ばせたいって気持ちが大きいと思うけど、彼女のこの顔が見たいっていう男ならではの気持ちがそうさせるんだろうな。俺ももっと早くそれに気づいてたら‥。”
『沙織、だいすき。』
自分でも驚いた。頭で考えるより心が勝手にしゃべった。
自分の言葉に自分が耳まで赤くなるのを感じる。
今まで、大好きだと思っていても大好きだとは絶対に言わなかった。
ハズくて絶対な言えないと思っていた。
だけど、しょうがない。好きになった方が負け。恋愛なんてそんなもんだ。
ここまで来たら恥ずかしさついでに彼女の反応を見てみたくなり、また俺は彼女の顔を覗きこんだ。
彼女はさっきと同じように目に一杯の涙をためながら
「知ってる。愛してくれてるよね。いつもちゃんと愛を感じてるよ。」
とさっきよりも破壊力のある最強の笑顔で言ってくれた。
“あー、俺にとっては沙織がスパハニ。最強説。”
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