背水のNIHON

受諾

「あ、会見の途中ですが、何かニュースが入ったようです。少々お待ちください……うん、うん……なるほど……うむ、わかった……ああ、失礼いたしました。たったいま、報告が入りました。KAN国は我が国の宣戦布告を受諾したとのことです！
「繰り返します、KAN国大統領は我が国の宣戦布告を受諾いたしました！
「もちろん、我が国は先程も申しました通り、平和憲法があり、交戦権を放棄しており、この点については些かも意志を揺るがせておりません。したがって、当然、この度の宣戦布告は、今年1月、国連総会にて満場一致で可決されました新戦争ルール、いわゆるSymbolic War、すなわち『象徴的戦争』によって行われます。
「このルールに則る限り、我が平和憲法には抵触しないというのが、我が政府の判断であり、これは司法のこれまでの見解と一致していると認識しております。
「また、この画期的な方法による国際紛争解決は、今回のNIHON国とKAN国による実施が人類史上初めてのことになります。
「宣戦布告の中で、我が国はシンボリック・ウォーの開始を今夕7時として申し入れており、KAN国側はこれも含めて承知したという回答を示しております。
「したがいまして、今夕7時、我が国は決して負けられない戦いに臨むことが決定したのです。その一部始終はテレビでも放送されます。国民のみなさんのご期待に沿うべく、死力を尽くして必ずや勝利を得ることをお誓いして、この緊急会見を終わらせていただきます。
「ご清聴ありがとうございました！」