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そのときです。
魔女の目の前を子羊が走っていくではありませんか。
魔女は手をのばして子羊にふれようとしましたが、とどきません。
それは、まぼろしだったからです。
魔女は少しずつひからび、ついにミイラになってしまいました。
空にモクモクと雲がわきたち、あたり一面が暗くなっていきます。
「ピカッ」
イナズマが走ると、ポツポツと雨がふりはじめました。
王子の体がもとにもどり、動きだし、メアリーの手をしっかり両手でにぎりました。
国中の人々や自然がよみがえりました。
王子はポケットに入っていた薬草をとりだし、メアリーにわたします。
薬草をせんじた薬をのんだお母さんの病気も無事なおりました。
メアリーは、いつしか『しずくひめ』といわれるようになりました。
やがて、二人は結婚し、すえながく幸せな人生をおくったということです。
おわり
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