ひからび魔女としずく姫

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 その三日後、ひからび魔女がやってきました。魔女がため息をつくと、あれほど豊かだった山の木々はかれはて、川や湖はひからびていきました。人々は逃げまどいましたが、ミイラにされてしまいました。  五日後、薬草をもちかえった王子は国の様子を見ておどろきました。 あれほど美しかった国が、何ひとつない砂漠になっていたからです。王子は必死にメアリーをさがしました。  砂漠に小さな植物の芽が出ているのを見つけ、掘りおこすとミイラがうもれています。 それはメアリーだということを、王子は感じとることができました。  王子はなげき悲しみました。  黒い影がのびてきたので、王子がふりかえると魔女が立っています。  魔女は大きな声で笑いました。 「どうせ、人間ってやつは、幸せなんかになれないのさ。おまえもカラカラにひからびさせてやろう」  魔女は、 「ハアー、フアー」  と息をふきかけます。  魔女は、おどろきました。  王子の目から涙があふれだしているからです。 「フアー」  魔女は、さらに息をふきかけます。  王子の体はひからびましたが、涙はながれつづけています。
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