始まりはファンファーレと共に

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「ひょっとして、まだパーティーを諦めてないって感じかな」 「当然です。新人の私には初めての会社イベントなんです。参加したいし、他部署の方とも交流したいんですよ!」 一美は皮肉を加えつつ、遠回しに手伝って欲しい懇願も添える。 「先輩こそ、糖分が足りてなくてイライラしてるんじゃないんですか?」 「いいねー真面目な後輩がいて。ウンウン、この会社は安泰だな」  そんな一美の皮肉混じりの怒りを無視するかのように白田は内ポケットからタバコを取り出した。監視されてるみたいで邪魔だな、と見積書を訂正しながら一美は内心で悪態をついた。  過去に記念パーティを経験している白田にとって、自社イベントに関して特に期待していない様子だ。  しかし、一美は違う。  入社してから既に半年。  初めての記念パーティで今年は毎年恒例のイベントと異なり、創立百周年記念である。  絶対に行く。こんなところで負けてられない、と間違いだらけの見積書の数値を一つずつ、確実に修正していく。
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