最高のねむり

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 男は普通にねむることが一番いいということに気づきはじめていた。  男は四十歳になっていた。  体の調子が悪いので病院へいくと、ガンでもう命は長くないといわれた。  一年後に男は死んだ。 「あんなにまじめでいい人だったのに、こんなに早く死ぬなんて……」 「人生八十年といわれる時代なのに、その半分しか生きられないなんてかわいそうだわ」 「結婚もできずに一人きりでなくなるなんてさびしい人生だったね」  お葬式でみんなは口々にいった。  最後の見送りのとき、みんなは死んだ男の顔をじっくりとながめた。  男の顔はニッコリとほほえんでいて、まるで永遠のねむりを楽しんでいるかのようにみえた。                                     おわり
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