魔女がくれたイス

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 久しぶりに会社に行くと、 「お前、一週間も休んで、何やってたんだ」  とどなられた。  一日中怒られて、クタクタになってアパートにもどった。  その晩、イスに腰かけながら、僕はあることを思いついた。  翌朝、そのイスを会社に持っていったのである。 「お前、怒られすぎて、おかしくなったんじゃないか」  とまわりからいわれた。  そんなことばを無視して、イスに座り仕事を始めた。  心の中で強く念じた。 「仕事がどんどん、できますように……」  パソコンのキーボードの上においた僕の手がものすごい速さで動き出した。  まわりの人たちは目を丸くしておどろいている。  その日から、僕はどんどん仕事をこなし、着実に出世していった。
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