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序章
二世紀末。約四百年間続く後漢王朝は、宦官と外戚による権力闘争によりかつての権威を失い腐敗。世は大いに乱れていた。朝廷は血と憎悪にまみれ、天下には暴虐の嵐が吹き荒れる日々。民は幾夜も嘆き、悲しみ、いつ晴れるかもわからぬ不安を抱えて生きていた。その混乱の中で、一人の男が力を伸ばす。その男の名を董卓。字を仲穎と言った。彼は蓄えた武力で都を制圧すると、新たに帝を擁立。それにより朝廷内での権力を握った董卓は、専横の限りを尽くした。あらゆる者から金を巻き上げ、略奪を繰り返し、酒池肉林に溺れる日々。その横暴な振る舞いに我慢の限界に達した各地の群雄達は、名門の生まれである袁紹という人物を盟主に、連合軍を結成。董卓の住まう都、洛陽へと攻め上がろうとしていた。
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