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俺はあの日、テレビに釘付けだった。
サッカー日本代表が国際親善試合でホンジュラスと対戦した時の事だ。
後半90分、アディショナルタイムは5分。
実況のアナウンサーが訝しげに言った。
「んー? ここで、交代ですか??」
「そのようですね」解説者が答える。
「交代ですね、谷山が天道と代るようです」
天道未来、その名前とテロップに映る顔写真を見て、俺はテレビに釘付けになった。
高校時代の同級生、天道未来が代表選手としてピッチに立ったのだ。
「有り得ない」俺は思わず大きく開いたままの口で呟いた。
同時に、あの日交わした約束を思い出した。
「お前に言われた言葉、絶対忘れないからな! 絶対プロになるから、応援よろしくな!」
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