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楽練ドリフターズ。
定のネーミングセンスは最悪だ。それなのにくじ運が強い。
顧問は国語のゴリ松先生が務めてくれた。「ラグビーはいいぞ!」と言いながらサッカーの練習に付き合っている辺り、サッカーとラグビーを間違えていたのかもしれない。
初試合は当然ボロ負け。423の布陣で挑んだが皆ルールもイマイチよく知らず、開始1分半で高城が相手ディフェンスにラリアットをかまして一発レッドの退場。
CBの柴田、朝倉、友川らは隅に固まって動かなかったし五島はゴール裏に応援に来ていた同級生の浅見菜々にうつつを抜かして背を向けていた。
SBの堀口は献身的に守備に回っていた。天道とは1試合1野口で契約していたが悲惨な得点差にやや錯乱状態で頭の中は野口の事しかなかった。天道に向けて「負けても払うよな?!」と叫んでいた。
同じくSBの越谷に至っては試合中だというのに1人で膝をついていた。近くにいた俺はもしかして、と「パン!」と陸上競技のスタートの合図を口で真似ると越谷は走り出した。アホだった。
わかってはいた事だが、監督として皆に指示を出していたゴリ松先生はずっと「何やってんだ?! 持って走れ! トライするんだろ! 持って走った方が早いだろ!」と叫んでいた。まだラグビーと勘違いしていたようだ。
こんな状況でも天道は楽しそうだった。純粋にボールに触れる事を楽しんでいた。
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