我が学園は

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我が学園は

チャイムの音が薄らと響く。 春先のこの季節の昼前の気温は心地よい。 しかし、自然に起きた訳ではなく、耳で聞きとったその音で起きたので寝起きとしては気分があまり良くない。 布団の中でもぞもぞしていると玄関が勝手に開く音がして足跡が聞こえる。 いつもなら不法侵入だぁとかなんとか言っているが今は頭の中が眠たい一択である。 足跡が部屋の前で止まるとノックもせず扉が開き、不法侵入した男の声が発せられる。 「虹(こう)いつまで寝てるんだ?」 俺を虹と呼んだ男は桐生蒼都(きりゅうあおと)俺の親友である。 「あお?なんで居るの?」 枕元の置き時計を見ると11:40を指している。 この時間帯は学校があるはずだ。 俺の通う学校…………もとい学園は都内にあるが、孤立した男子校で、しかも全寮制であり、私立のお金持ち学校通う、超進学校である。小中高一貫であり、小等部では自宅か寮か選ぶことができ、中等部からは全寮制となる。同じ敷地内にあるが、それぞれの校舎は離れており、しかも仕切られている。 「虹、今日は日曜日だ。」 「あー。そうなの?引きこもってると時間感覚無くなるんだよね。」 この時間帯、学校があると思っているのならなんで俺がまだ寝ているのかと疑問に思った皆さん。それは俺は引きこもりだからだよw
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