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部屋の明かりを 付けないで
朝日は 眩し過ぎるのよ
ペイントが傷んでしまうの
ええ 知ってますわ
もう お昼も過ぎてること
寝返りをするだけで 節々が 痛むの
私はもう 長くは ないでしょう
ねぇ あなた
最期の お願いを 聞いて下さる?
出来ることなら 眠っている時に
静かに 逝きたいの
あの 可憐で 可愛らしい女性は
マーサの屋敷の 召使い
あなたとマーサは もう何年も
ずっと 以前から そんな気はしてました
恨めしい身体
マーサが 来なくなったのも
誰かが 教えてくれました
あの 可愛らしい召使いと あなたの
情事を 見てしまったのね
マーサは あなたの子供を身篭っていた
それなのに あなたは
可哀想なマーサ
あなたを心から 愛していたのに
マーサだから あなたを許したのに
マーサは とても 怯えてた
友情と 愛情との 狭間で
どちらも 選べなかったのね
あの召使いは マーサの屋敷で
夫人気取りで 過ごしているそうね
私が何も知らないとでも思って?
深夜の火事で 焼け死んだ お飾りの
可哀想な あなたの妻として
この屋敷の大広間に 飾り続けられている
あなたへの侮蔑の眼差し 微笑みは冷笑
罪悪感に 蝕まれていく あなた
あなたが朽ち果てる迄 1番綺麗な姿のままでひっそりと ここで佇むことに 致しましょう
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