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なんてゴチャゴチャ考えながら何事も無く教室に着いた。光紀のすぐ隣が俺の席。
光紀がゴネたとかは黒歴史になるだろうから黙っててやる。後々思い出して恥ずかしさに悶絶すればいい。
「光紀坊っちゃま、そらそろクラスに馴染むことから始めませんか?」
「イヤだ」
未だにクラスに馴染めなくていっつも俺とばっかり連むのはマジでよくない。腐的展開的にも、蘇芳家の将来的にも。
もっと社交的にとまではいかないけど家名を背負ってることを意識して今のうちから人脈をちょっとでも広げて欲しいんだけど。
「何故です?坊っちゃまなら簡単でございましょ?試しにお隣の常磐様に微笑みかけてはいかがですか?」
「イヤだ」
「…ッチ」
「舌打ちした!?輝瑠いま舌打ちしたよね!?」
「はい、それがなにか?」
舌打ちせずに居られるかってんだ、人が折角お膳立てしてやったのに。たまには俺の言うこと聞いてくれたっていいんじゃないですかね、光紀坊っちゃま!
慣れねぇ敬語使って坊っちゃま呼びまでしてやってんのにいい加減にしろよ、俺の為に生きろよ。
「僕の使用人のクセに」
「あなたのワガママに付き合ってあげてるんです」
「輝瑠のクセに」
「文句がおありなら俺はいつでも辞めて差し上げますが?」
「ゔぅぅぅ…!輝瑠のバカ」
ワガママ聞いてあげてるの俺だし、頭だって俺の方がいいじゃん。家云々除ければ俺の方が色々上だかんな?
「何とでもおっしゃい、ほらお手本見せますから」
光紀越しにバトル系黒髪イケメン常磐に向かってニコッ!って笑ってついでに手も振ってやる。どうよこの完璧な深山くんスマイル。さすが俺の深山くん、素敵。
常磐だって赤面のこの出来よ?もう完っペキじゃん。チョイ役の俺にあんな顔するんだからお前がやれば常磐はもうお前にメロッメロだ間違いない。
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