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「んで?お前と仲良くしてくれるご友人さんってどんなヤツ?」
「常磐の坊っちゃま」
「常磐…あのツンツンしてたヤツか」
初等部の時から既にツンツンだったのか…
てっきり反抗期っていうのも相まって中等部に上がると同時にツンツンしだしたのかと思ってた。
ほら、ドラマとかでよくあるじゃん?親に構ってもらう為に悪さしたり悪態ついたりするヤツ。
で、自分が親に構ってもらえなかった分、構ってもらえない寂しさを知ってるから自分の近くに寄ってくる人に対してやたらと面倒見がよくなっちゃうオカンの人。
「案外楽しい人だよ?人付き合いだって悪くないし」
「ぜってえお前が振り回してるだけだろ」
「待って?センセー的に俺ってそんなふうに映ってるの?」
「そりゃな。初等部のガキのクセに生足云々言うやつがまともなわけねぇからな」
あ、うん、分かる。俺が先生の立場でも絶対そう思う。コイツどんな教育受けたら、んなこと言うんだって。
「お前、あれだろ自分大好きだろ?」
「もちろん。よくないですか、この顔」
「悪くはねぇけどよ」
唐突にカメラを構えたセンセーについつい反応してポーズキメちゃう俺。頬杖着いたり、横髪を耳に掛けてみたり、憂いを帯びたふうに目を伏せてみたり。どう?
「見せてよ…ほら、写真写りもいいですし」
「それも認める。なんだ?生まれて来てからずっと親御さんから全肯定されて生きてきたのか?」
「それもある」
初見の時にあれだけテンパって大泣きした父さんと母さんは今まで俺のことを一切否定したことはない。もちろん人として間違ってることならそれはちゃんと叱ってくれるしそれを理不尽だと思ったことは一度もない。親バカ要素が全く影響してないとはいえないけど、何をしても基本褒めてくれるから次の行動を起こしやすいってのはある。
でも大半は深山くんを偶像化して、他人から見て格好悪いと思わせたくない、深山くんは素晴らしいんだって思わせたいサトシの自己崇拝。
不可抗力とはいえ本来あるハズの推しの意識を眠らせて身体の自由権を得て成り代わって生きていくなら誰だってすることだろ?
自分の推しを自分のせいで格好悪くさせたり、周りからも格好悪いと思わせたくないって。
だって深山くんは可愛くて格好よくて息してるだけで天使だから!!!
あー、今日も俺の推しはイケメン!キレイ!
はぁ…深呼吸してその呼気全部吸いたい…
ちょっと袋取ってこようかな。スーハーしたい、深山くんの息吸いたい…
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