さようなら

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 それが私と先輩の最後だった。  あれが最後だとわかっていたなら。  ただ、、、、何でもない。  いつもの、「こんにちは。」を言いたかった。    あの手紙を渡したかった。    「受験どうでしたか?おめでとうございます!」って言いたかった。  貴方の肌。  少し明るい髪の色。  優しい笑顔。  いつものただの会話。  あの時したしりとり。  皆でやった人狼ゲーム。  それが何にも代え難いこと、今更知った。    あれだけ風情を感じた桜も、今は少し憎い。  すれ違ったとき、不意に感じた桃の香り、振り返ると人違いだった。  そんなことがしばしばある。    それで、少し、
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