引っ越してからの日々

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 首都圏の地方都市、駅から徒歩五分。四畳半のワンルームとは言えユニットバス完備で、破格の八千円。安さの秘訣は、その有り体にあるのだろう。  掘建て小屋の名称をほしいままにする、そのアパートの築年数に関しては、知らない方が精神衛生上良いと思う。  瓦の隙間から緑が生茂り、腐った板とトタンで継ぎ接ぎされた外壁は年季を感じる。  朽ちかけたそのアパートは、灯りが漏れ出ていなければ、ほとんどの人間が廃墟だと見間違うこと間違いなしで、陰気な雰囲気を垂れ流していた。こんな所で寝食を行うかと思うと寒気がするが、金が無いんだ、仕方ない。  不動産屋を何軒もハシゴし、見つけた最安値物件がここだった。  不動産屋曰く、これ以下の値段は事故物件になるらしく、ホームレスの方がよく借りるのだと。  幽霊と同居は御免被る、それにこの物件も、脱ホームレス御用達事故物件も、さして値段は変わらない。安心を買ったと思えば安いもんだ。  まぁ、見た目の話をすれば、このアパートが事故物件だと言われても遜色ないけど。  しかし、こんなボロ屋に住む羽目になるのならば、全力で大学受験に望めば良かった。  高卒フリーターに対して世間は世知辛い。

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