エピソードゼロ。

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「何か嫌な事でもあったのかい?」 「ああ。前回の奴がハズレでな。俺の闇、みんな持ってかれちまった。だから早急に美味い狂気を喰らいたいところなんだがな。キサマも外れか。狂気を感じないぞ?」 え? 「もしかして、あんた真っ白なのって毒気が抜かれてるってはなし?」 「ああ、白く見えるんだな、キサマには。俺にはそういうのはちょっとわからないんだが」 なんだかこの猫ほんとに化け猫? ぜんぜん怖くない。 でもこのままじゃ、僕の目的も達成できないし。どうしようか。 「ねえ。食べてくれないの?」 そう上目遣いで聞いてみる。 こうなったら少々恥ずかしくても……。 「ん? 小僧、お前……」 何か訝しんでいる白い猫。こちらをじろじろ舐めるようにみる。 ああ、もしかして。 「小僧、お前ひょっとして、ゲイか?」 はぁ? 「なよっちいしな、じゃなかったらあれか、女になりたい系か?」 ちょっと待ってよ! 「女になんか誰がなりたいもんか!」 ちょっと叫ぶように声を吐き出す。流石に許せない。 「そうか、なるほどね。キサマの狂気、そのあたりに地雷があるか」 ああ、うまく誘導された? っぽい? 「まあそういう事なら、だ。あまり俺は役に立たないかもしれないな」 え? 「その程度の狂気なら、喰いたくも無い、って事だ」 そんな……。
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