アザラシから愛を込めて

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温かい毛布みたいな貴方。  パジャマ越しに細くないウェストに回された、太い腕。  自分は独りなんだと思い込み、凍えそうになった夜から何度も救ってくれた力強い腕。  何度も私を現世に留めてくれた。  聞き分けのないアザラシだって、私のことを会社の同僚には勝手に紹介しているらしいね。  かなり恥ずかしいけれど、宴会から早めに貴方を私に帰してくれる同僚の方々に感謝しています。  出会ってもう六年経ったね。鯛焼きみたいに中身が旨いんだって言われたときは、外見には関心がないのかと一度は悲しくなったよ。  でもじっくり言葉を噛み締めてたら、どんなに姿が変わっても好きで居てくれるんだって、凄いノロケだと気付いたんだ。  貴方が愛してくれるから、私らしくあることが出来るのかもしれないね。  どんな厳しい叱責も辛い体験も、今の自分に辿り着くためのレッスンだったと思える。  貴方に受け止めてもらえたから。  それでも、可愛いアザラシになりたくて毎日体重計に乗るんだ。  夜、貴方が胸の上に手を置いているときはそっと外すの。  私が出来ることなんてたかがしれている。ただ、側にずっといるよ。  重たい愛で包むよ。
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