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低音ボイスが私の耳に吹き込むのは、興奮。
ダークすぎるその声は、今まで会社で聞いたこともない声音。
ただそれだけで、私の下着がにわかに染みるのを感じた。
もう……引き返せない。
「えろ、くなんて」
「見えてんだよ、この黒いのがさぁ……!」
強引に背後から両サイドに開かれた胸元。
心もとないバスローブは呆気なくむき出しの体を許して、私を守る盾にはならない。
隙だらけの私に気持ちが高ぶったのか、お尻に硬いものが当たる。
それがさらに火をつけて、また下着が濡れていく。
ブラに差し込まれたのは、見つめていた指先。
きれいなソレが、私の尖りを強引に捏ねるのを止められない。
あ……、ん……、んっ。
恥ずかしい声が漏れて、両手で塞ぐ。
夫以外に聞かれたことのないそれを、他人に聞かせていいのか分からない。
でも人生で一番興奮しているのを、私が一番分かっている。
こんなこと、今まで一度もなかった。
「優花……、優花、ゆうかっ」
まさぐる手つきが乱暴になるにつれ、私の名を呼ぶ声が荒くなる。
は、は、と荒々しい吐息を、私の耳に吹き込んで痺れさせてその場に縫い付ける。
嬉しかった――わざわざ買って用意した、ランジェリーに気づいてくれたことが。
怖かった――それに気づかれていたことが。
隠していた私の何かを見透かされていたことが。
「あ、あ……っ、ん……ッ」
バスローブの紐が引きちぎる勢いで引っ張られると、あっさりと床に落ちた。
胸を掴む左手とは別に、右手がショーツの端に指をかける。
震える唇が半開きのまま振り返ると、オス化と評するのがぴったりとくる功太の獰猛な目つきと視線がぶつかった。
そのまま1秒交わした後、自然と閉じた目と同時に唇が重なった。
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